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18~19世紀にイギリスなどヨーロッパの各地を中心に起こった産業革命で鍵は大きく進化を遂げました。
この頃に生まれたのが「タンブラー錠」です。この技術が鍵という仕組みを飛躍的に進化させたと言われています。
タンブラー錠の中にも「レバータンブラー錠」というものがあります。これは18世紀の後半にイギリスのロバート・バロンによって発明された鍵です。この発明をさらにイギリスのジョセフ・ブラマーが改良し、19世紀前半にはイギリスのChubb社によって防犯的に改良された製品が開発されました。
当時にしてみればこのような不法な解錠をふせぐことができて、もしむりに開けようとすれば痕跡が残るような装置は画期的なものでした。
さまざまな分野で産業が発展した産業革命の時代だからこそこのような装置が求められ、誕生したのでしょうね。
19世紀交換にはアメリカで銀行用のカギ製作を行っていた職人のライナス・エールが「ピンタンブラー錠」を発明しました。
これはエジプト錠やローマ錠の原理を応用したものでした。
のちのピンタンブラー錠の基本的な仕組みの原型とも言われています。
誤作動がなく、防犯性にも優れているために150年以上たった現在でも米国や世界各地のシリンダーに使われている機構です。
最近はなんでも機械でできるようになりました。
鍵もデジタルの仕組みが使われるものが増え、家庭でも導入する人はいるようですね。
鍵は錠前の内部の構造とそこに差し込む鍵の形が符合することによって施錠したり解錠したりすることができます。鍵があっていなかったらその持ち主ということがわかり、中にアクセスできるという仕組みですね。
デジタルロックの場合もシステム自体はこれと同じです。ただ、エントリーするのには必ずしも鍵の形をしたものではなく、その人本人だということが証明できるものさえあればいいということです。
カードタイプの鍵であったり、携帯電話を鍵として使うことができるものもあります。
また、指紋認証や音声認証、顔認証などのエントリーシステムも増えてきています。
テンキータイプの鍵で暗証番号を入力することによって入ることができるものもあります。
昔の時代劇で「合言葉は!海!」「山!」みたいなことをいって中に入れてもらうのと仕組みは同じですね。
テンキータイプの鍵だと数字が磨り減ったり指紋がいっぱいついているところだとバレてしまうのではないかと思われるかもしれません。最近のは工夫されていて、数字はLEDで光るのですり減ることはありません。番号を入力する前にランダムの数字をダミーで入力してから暗証番号を入れるというシステムを採用しているものもあります。
子供の頃みたアニメで主人公が鍵を針金か何かで操作して鍵を使わずに開けてしまうといったシーンを見たことはありませんか?
それに憧れて、自分でもやってみたけど以外と難しくて開けられないんですよね。
むしろそれで玄関の鍵を壊してしまって親から大目玉を食らってしまった経験を持っている人もいるのではないでしょうか。
むかし小学校の頃、クラスメイトにピッキング名人がいました。
鍵の仕組みを分解して調べて、どうやったら開くかを自力で突き止めたようです。
南京錠をピッキングしてみせたり、番号式の鍵を手品のように開けて友達をびっくりさせていました。
彼に聞いてみたところ、音のなり方や感触でどうやったら開くかがわかってしまうようです。
確かに鍵屋さんも、金庫を開けるときに聴診器で音をきいたり、耳をぴったりくっつけて中の音を聞いたりするようです。
そんな風に鍵を開けることができたら、将来泥棒にでもなってしまうのではないかとまわりは心配していたようですが、彼は機械いじり好きが講じてそのままメーカーの開発部に就職しました。手先の器用さを生かせる職業についてよかったな、と思っています。
また、これも子供の頃の話なのですが、昔自転車の鍵をなくしてしまって困ったことがありました。
そうしたらたまたま近くを通りかかった高校生くらいのお兄さんが持っていたビニール傘を分解して、骨を自転車の鍵に差し込んで鍵を開けてくれたことがありました。
小さかった私はそのお兄さんがヒーローのように見えてすごくかっこいいと思いましたね。
世界で一番有名な鍵メーカーというとどこかご存知ですか?
世界的な鍵メーカーはスイスに本社のあるカバ社です。
カバはルーブル美術館やスイス銀行などのセキュリティシステムを手がけている世界で最も古い錠前会社です。
その歴史は1862年にドイツ人の錠前屋であったフランツバウァー氏がチューリヒで金庫を作ったことからスタートしました。それ以来、金庫や鍵作り、最先端のセキュリティシステムを手がける有数の鍵の企業へと成長しました。
カバが日本の市場に参入したのは30年以上前のことになります。そのころには日本ではカギをかけるという習慣があまり定着していなかったそうです。最初の10年はし市場に参入することすら難しいと考えられていました。
日本でカバが有名になったのはピッキングが社会問題になった10年位前からです。
当時、日本で一般的によく使われていた国産の鍵はピッキングされやすい鍵で格好の餌食になっていました。それに対してカバの鍵はピッキング対策の鍵をすでに作っていたので日本の家庭でもカバの鍵を使う人が一気に増えたということです。
日本と海外の国との防犯意識が違うのは日本がそれだけ安全な国であるというのもひとつの理由です。海外の人が日本に来たら酔っ払って道端で寝ているサラリーマンをみるとぎょっとしてしまうそうです。自分の国でそんなことをしたらあっという間に身ぐるみを剥がされてしまうからです。
また、居酒屋などでスマートフォンのような携帯電話をテーブルの上に出しっぱなしにしておくというようなことも危険です。あっという間に盗まれてしまいます。
現在多くの先進国ではごく当たり前に鍵が使われています。使用されている鍵も基本的にシリンダー錠で日本の鍵と使い勝手はほぼ変わらないと考えていいでしょう。
しかし、日本と他の国とでは鍵というシステムに対する考え方や防犯に対する意識も異なっている場合があります。
例えばフランスでは、ワンドアツーロックが基本です。
日本でもワンドアツーロックの家庭は多いですが、フランスのそれはまた一風変わったものとなっています。
ドアノブの近くに鍵がひとつついていて、さらにドアの上や下にもうひとつの錠前がついているというタイプになっています。
鍵はふたつですが、開けるときにはひとつの鍵だけで開けられます。
鍵を一度鍵穴にさしこみ、二回回転させると解錠することができます。一度鍵を回した時にガチャっと音がなって上か下の方についている鍵があきます。
二度目に回した時にはドアノブの鍵が開き、ドアを開けられるようになるのです。
このようなタイプの鍵はフランスでは今も現役で使われています。
カードキーやスマートキーのようなエントリーシステムも増えて来てはいますが、それよりも前時代的な鍵のほうが信用されているというのが現状です。フランス人はデジタルに対して懐疑的だからです。手動のドアも日本に比べて多いと言われています。